去る者は追う
前回トシとデートしたときのピロートークで。
今までトシが付き合ってきた女性と
どうして別れたのか、についての話になった。
トシは渋くていい顔をしているし、
気遣いもできるし、話も面白いし、
背も高くカッコいい。
彼女の欲目(?)を抜きにしても、
若い頃から女性には不自由しなかった
だろうと思う。
事実、今まで付き合ってきた人の数は
一夜限りの相手も含めたら、
恐らく50人以上、ひょっとしたら三桁!?
というレベルのようだ。
以前にも書いたが、
私はトシの過去の恋愛話を聞いても
全く嫉妬しない。
過去は過去だし、
それだけの女性遍歴を経て
私を選んでくれたのだとしたら、
こんな光栄なことはないと思う。
それに過去の恋愛ということは
必ず別れがあったということ。
そこに至る経緯には
トシとの恋愛を長く続けるために
気をつけなくてはいけないヒントが
隠されているはずだ。
なので、私は度々
トシの過去に探りを入れる(笑)
今回もキッカケは忘れたが、
別れの原因についての話になった。
T:「オレはどんなに好きな相手でも
そんなに会いたい、
って欲求がないんだよね。」
K:「そうなの?
でも、それだと付き合ってる女性は
寂しがるでしょ?」
T:「うん。
会いたいと思う方が
普通なんだとは分かってる。
ただ、こちらが死ぬ程忙しいときにも
寂しい、会いたい、
と気持ちを押し付けられるのには
本当に参る。
挙げ句の果てに
『私のこと好きじゃないから
会いたくないんでしょ!』
とキレられると、
もうその時点でオレの気持ちも冷めてしまう。」
K:「女性は電話してくれたりLINEくれたり
会ってくれたり、
相手が自分のために割いてくれる時間で
気持ちを測ろうとするから。」
T:「その価値観を否定する訳じゃないよ。
でも、オレは会わなくても
好きな人がいる、というそれだけで
幸せなことだと思ってる。
だから、お互いの状況で
たとえ何ヶ月と会えなかったとしても
気持ちは繋がっていられる、と考えてるんだ。」
なるほど、トシの言うことももっともだ。
究極的には、
好きな人が元気でこの世に存在している、
そのことがある意味奇跡であり、幸せなのだから。
K:「なかなかその境地にたどり着くのは
難しいなぁ。
女は欲張りだから(笑)」
T:「別にオレと同じように考えろ、
とは言わないよ。
ただ、女性が
『好きなら当然会いたいと思うはず』
という自分の考えを
相手に受け入れさせようとするのなら、
『好きという気持ちがあれば
会えなくても繋がっていられるはず』
というオレの考えも尊重して欲しい、ってこと。」
K:「なるほど…。」
T:「まぁそうは言っても、たいていの女は
寂しさに耐えきれなくなって
離れていくんだよね。」
K:「今までの彼女が別れるって言ったら、
すんなり受け入れたの?」
T:「うん、オレは去る者は追わずの主義だから。
別れたいと言われた時点で、オレも冷める。」
K:「そっか。
私も気をつけよう、っと。」
T:「あ、でもかすみだけはダメ。
最後の女と決めてるんだから、
何があっても別れないよ。」
K:「じゃあもしも私が別れる、
って言ったら
泣いて縋ってくれる(笑)?」
T:「泣かないけど、
懇々とお説教して考え直させる(笑)」
K:「え〜?!お説教〜?!」
なんだか立場が強いんだか弱いんだか
分からないけれど…(笑)
T:「とにかく、かすみのことは絶対に離さない。」
そう言ってギュッと抱きしめてくれた
トシの腕の温もりから本心が伝わってきた。
この先もお互いの事情によって
今まで以上に会えなくなるかもしれない。
逆に、もっと頻繁に会えるようになる可能性も
ゼロではない。
どんな状況にあっても
お互いを思い合う気持ちを忘れないこと。
自分が相手を愛しているように
相手も自分を愛してくれていることを
決して疑わないこと。
それができればきっと
永遠に繋がっていられるのだろう。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。