ことばにとける
私は性的なことにまつわる言葉を
口にすることが大の苦手だ。
まぁ、大得意!って人も少ないだろうけれど(笑)
例えば、「エッチ」という言葉ですら
口にするのも文字にするのも抵抗がある。
ましてや性器の名称(俗称)なんて、
目にしただけで
全身が恥ずかしさに震えるような
感覚さえ覚える。
トシは逆に、普段の会話の中でも
サラッと(?)こうした言葉を口にする。
行為のことを「エッチ」とは言わず、
「セックス」と言うところは、
昭和な男だな、と思うけれど(笑)
そしてベッドの中で、
トシはそんな私を言葉で責める。
熱いキスだけで息を荒げる私の下着を
ゆっくりとはぎ取りながら、
T:「ほら、自分で足を広げてごらん。」
K:「ヤ…。恥ずかしい…。」
T:「かすみがどうなってるか、オレに見せて…。」
トシの言葉に操られるように、
自ら足を開く私。
T:「指で開いて見せて。こうやって…。」
首を横に振って抵抗する私の指を
その部分に当てがうトシ。
T:「そう、いい子だ…。
キスしただけなのに、もうこんなになってる。」
K:「ヤだ…。言わないで…!」
一番恥ずかしい部分をトシに見られ、
羞恥心で全身が燃えるように熱くなる。
T:「オレに見られて、恥ずかしいの?
でも、もっと濡れてきてるよ?」
K:「そ、んなこと…!」
T:「かすみ、こっちを見て。」
涙で霞む目で言われるまま、
視線を向ける。
大きく突き出したトシの舌が、
今まさに私の熱く濡れた部分に
触れようとしていた。
K:「ヤ…だ…!」
T:「嫌なの?やめる?」
K:「う…。」
T:「して欲しいなら、ちゃんと見てて。」
トシの強いまなざしに射すくめられ、
視線も身体も動かせない。
トシの熱い舌を感じた瞬間、
恥ずかしさと快感の大波に襲われ
全身が大きく震えた。
K:「トシ、もう、お願い…!」
その舌で指で、
何度も何度も高みに押し上げられ、
息も絶え絶えになりながらトシを求める。
T:「どうして欲しいの?」
K:「トシ、が、欲しい…。」
T:「オレの何を、どこにどう欲しいか
ちゃんと言ってごらん。」
K:「ヤ…。言えない…。」
T:「言わなきゃ、しないよ。」
半べそ状態で身悶える私を見るトシの目は、
支配者のそれだ。
K:「トシの、これ…が、欲しいの…。」
言葉を使えない私は、
仕草で自分の欲求を伝えようと必死になる。
T:「これ、じゃわからない。
これをかすみのどこにどうしたらいい?」
K:「いっぱいに、して…ください…。
お願い…!」
T:「仕方ないな…。」
殆ど泣きながら懇願すると、
トシはようやく私の空洞を満たしてくれた。
T:「かすみはホントに恥ずかしがりだなぁ。」
熱いひとときが過ぎ去り、
火照った身体を鎮めながらトシが言う。
K:「だって…!
トシが恥ずかしいことばっかり、
言わせようとするからでしょ!」
T:「もし言えって言って、サラッと言われたら
それはそれで面白くないんだよな。
かすみみたいに恥ずかしがりつつ
喜んでいるのがわかると、
もっと虐めたくなる。」
K:「よ、喜んでなんていないもん!」
T:「そんなこと言っても、
身体の反応は真逆だよ?
ほら、こんな話してるだけで、もう…。」
そう言ってトシは、
私の身体に再び指を這わせた。
愛する人に言葉で縛られ、蕩かされる快感。
もっと、縛って…。
もっと、蕩かして…。
言葉にならない淫らな願いを
熱い吐息で伝えた。
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