かすみ草の恋

アラフィフの今、出逢ってしまった運命の人。
お互い家庭がありながらも、最後の恋人として大切に愛を育んでいます。

○○の半分だけ?!〜その1〜

この夏は、半端なく激務のトシ。


ほとんど休みがないどころか、

休む時間もないくらいの生活が

もう一ヶ月以上続いている。


当然、デートもお預け…。



熱中症寸前で倒れそうになりながらも

頑張って働いているトシに


「会いたい」


なんてワガママは言えず、

ずっと我慢の子。



でも、先週の日曜日、

珍しくトシは外でのお仕事がないみたいだった。


(それでも事務仕事はあるから、

完全なお休みではないんだけど。)



もしかしたら、事務仕事が一段落ついた頃に

チラッと顔見るだけくらいできるかも?!


そうお伺いを立ててみると、


T:「ごめん、今日夜は接待入ってる。」



チラッと期待しただけに、

私の気持ちは急降下。


同時に、パンパンに膨らんでいた我慢の風船が

ぱちんとはじけて。


K:「トシが毎日

暑くて倒れそうになりながら働いているのも、


仕事がらみの接待を断れないのも、

わかってる。


でも、会いたくて堪らないの…。」



数分して、トシから返事が届く。


T:「ごめん。


かすみを我慢させてることは、わかってる。


でも、今は余裕ない。」



いつもは絵文字に溢れる文面なのに、

字だけの素っ気ないLINE。


K:「わかった」


と一言返事をするのが精一杯だった。



そしてまた数分後、


T:「もし、我慢することがしんどくて


付き合うことがかすみのプラスにならないと思うなら


そう言って。」


トシの言葉に、顔が青ざめる。



K:「それって、別れを考える、

ってこと?


それだけは、ない


我慢するのがしんどくても


だからと言ってトシへの愛情がなくなることはないし


トシの存在が私に与えてくれるものは


何ものにも代え難いよ


ただ、どうしたらいいか、


一緒に考えたいだけ」


<…続く>