<<恋愛忘備録>>いい依存、わるい依存〜その2〜
その1でご紹介した
「「察してほしい」という気持ちが人間関係に与える影響」
を読み、恋愛関係に置き換えて考えてみた。
人は誰かに恋をすると、
その相手に意識の大部分を集中してしまう。
特に我々女性は、その傾向が強いかもしれない。
「彼のことしか考えられない」
「彼は私のことをどう思っているのだろう?」
と四六時中考えるだけならまだしも、
「私がこれだけアナタのことを考えているのだから、
アナタも同じように考えて。
そして、私がアナタを好きという気持ちを察して
私が心地いいようにして。」
と知らない間に相手に要求してしまうのだ。
これは、この記事で言う『子供に特有の依存心(甘え)』
がもたらす心理だろう。
「毎日イヤというほど何度も連絡して」
「私が会いたいと思う時にすぐに会いに来て」
「しょっちゅう好き、愛してると言って」
恋をしている女性なら、
誰しもが言ってみたいワガママだと思う。
でも、これらは小さな子供が
「欲しいおもちゃ、全部かって〜!」
「食べたいおやつ、全部食べさせて〜!」
「遊びたい時に遊ばせて〜!」
というのと同じ、非常に幼い甘えだ。
真っ当な母親なら、
こうした子供のワガママを全部聞くことはない。
恋愛や夫婦関係においても、同じだと思う。
相手の未熟な甘えを全て聞いていたら、
相手を助長させ、成長を妨げることになるばかりか、
二人の間に健全な関係を築けないことになってしまう。
私は独身時代に付き合った男性のひとりと、
まさにこの「二者関係」に陥りかけたことがある。
その男性は極度のワガママで、
こうして、とお願いされたことを私が聞かなかったり、
自分が言ったことに対してちょっとでも反論しようものなら
すぐさま不機嫌になる。
当時は彼に嫌われたくない一心で、
言われたことは殆ど全て受け入れたし、
ちょっと違うんじゃないかな、と思うことも
揉めるのが面倒で肯定していた。
が、私が彼のワガママを受け入れれば受け入れるほど、
感謝されるどころか、ますますワガママ度に拍車が。
さらには、何でも受け入れる私を下に見て、
攻撃するようにさえなった。
ここに至って私は、
「この関係は間違っている」とようやく気が付く。
彼のワガママに振り回されるのに
ほとほと疲れていたこともあり、
スパッと関係を切れたのは、不幸中の幸いだっただろう。
その男性と付き合っていたときの私は、
「彼の全てを受け入れるのが愛情」
と思っていた。
しかし、これは大きな間違いだったのだ。
相手の全てを受け入れる、というのは
相手のワガママを全て聞く、ということではない。
相手がたとえ怒っても泣いても、
自分ができないことはできないと伝えること。
その上で、どんな状態であっても
相手の存在を受け入れること。
これが正しい「相互依存関係」なのだろう。
トシとの関係においては、
この「相互依存関係」が確実にでき上がっていると思う。
最初の頃は、私がワガママを言ったり
寂しいなどのネガティブな感情を
そのままぶつけたりしていた。
でも、トシは絶対に理不尽な要求は受け入れてくれない。
私がいくら「寂しい」と訴えても、
T:「その寂しさを埋めるのは、オレの役目じゃない」
などと言われ、余計凹んだこともあった。
ただ、トシはそんな私を見放すことはしなかった。
なぜそれがいけないのか、
どうして自分は受け入れられないのか、
必ずきちんと言葉にして
私が納得いくまで説明してくれた。
T:「多少無理すれば、
かすみのワガママを聞いてやることはできる。
でも、そうしたら、
かすみは今は満足するかもしれないけれど、
また同じことを繰り返すだろう?
人は、一度受け入れてもらったワガママは
二度も三度も受け入れてもらえる、
と思ってしまう。
そして、受け入れてもらえないと、
余計腹が立つし、さらに要求がエスカレートする。
その内、オレも受け止めきれなくなって
二人の関係そのものがダメになってしまうんだ。」
トシの言葉を聞いて、本当にその通りだと思った。
人はワガママを聞いてもらったとき、
その場では満足するかもしれないが、
同じワガママはまた聞いてもらえる、と勘違いする。
最初は相手に感謝しても、
その内、聞いてくれないと怒りが込み上げるようになる。
さらには、何でも言うことを聞く相手を
ないがしろにしたりさえするようになる。
これがいわゆる「共依存」の関係であり、
お互いが破滅に向かうことは必須だ。
今、彼にワガママを聞いてもらえなくて
悲しい思いをしているみなさん。
彼はきっと、
「恋愛のコドモ」レベルにいる私たちを成長させてくれる
「恋愛のオトナ」なんだと思いましょう(笑)!
私たちが「恋愛のオトナ」レベルに成長できたら、
「おたがいが心理的に自立したうえで、
対等に、ほどよく甘え合える関係」
つまり健康的な「相互依存関係」を
築けるに違いないのだから。
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