かすみ草の恋

アラフィフの今、出逢ってしまった運命の人。
お互い家庭がありながらも、最後の恋人として大切に愛を育んでいます。

甘い拷問

私は極度のくすぐったがりだ。


ちょっと首筋に触れられただけでも
ビクッとしてしまう。


美容院でサービスでしてもらえるマッサージも
くすぐったくて耐えられない。



T:「それだけかすみが敏感な体質、ってことだよ」


トシはそう言って、
しょっちゅうふざけて私をくすぐってくる。


K:「やめて〜!」


私はトシの手から逃れようと
狭いソファの上で必死に身をよじる。


でも180cmもあるトシに
力で敵う訳はない。


すぐにその大きな身体で押さえつけられ、
これでもか、と攻撃されてしまう。



そしてくすぐっていたはずのトシの手が
段々官能を引き出す動きに変わっていく。


T:「どうして欲しい?」


K:「わからない…。」


T:「わからないことないでしょ。
ちゃんと言わないとしてあげないよ。」


K:「...気持ちよくして…。」


T:「どこを、どんな風に?
言えないなら、自分で足を開いてみせてごらん?」



トシの言葉に暗示にかけられたように、
震えながら自ら足を開いて。


トシの舌が指が、
熱いその部分を暴いていく。


ものの数分もしない内に
最初の大波が押し寄せ、
熱い雫がソファの上に滴り落ちた。



T:「ほら、おいで」


ソファの上に座ったトシに導かれるまま、
その膝の上に座り込む形で
ゆっくりとトシを私の胎内に迎え入れる。


散々指でほぐされた後なのに、
いつでも最初にトシを受け入れるときは
その質感に圧倒されてしまう。


恐る恐る半分程進んだところで、
トシが私の腰に両手を添え、一気に引き落とした。


K:「…っ!」


全身を貫く電流のような快感に
声にならない声をあげる。



自ら動こうとするが、
ほんの少し私の内部をトシが擦っただけで
身体がビクビクと震えて動けない。


T:「繋がっただけで、イッちゃったの?」


K:「だ、だって…、気持ちいいの…!」


仰け反りながらそう言うと、
私の胎内のトシが、
ピクリと反応するのを感じる。


T:「しっかり捕まって」


繋がったままの状態でトシが私を抱え上げ、
ベッドへ。



足を大きく開かされ、のしかかるように
トシが私の中により深く強く入ってくる。


最奥を何度も力強く突き上げられ、
全身に痺れるような快感が駆け巡った。


痺れは段々大きく強くなり、
大きな絶頂の波が次から次へと押し寄せる。



K:「も…う、お、おかしく、なっちゃう…!」


T:「もっともっと、おかしくなって」


うわごとのように何度訴えても、
トシは私を攻める手を止めない。


その内、意味のある言葉すら
発することができなくなる。


こうなるともう、
どこがオーガズムの始まりで
どこが終わりかわからなくなってしまう。



半分意識が朦朧としてきた頃、
ようやくトシが果てた。


私も最後の大波に飲み込まれ、
全身が麻痺したように動かない。


トシもまだ荒い息を吐きながら
汗びっしょりの私の身体を抱き寄せ
胸にキスを落した。


その瞬間。


なぜか再び痺れるような快感が
身体を突き抜ける。



T:「どうした?」


いぶかしそうに尋ねながらも、
私の様子がいつもと違うことに気が付いて
トシは胸へのキスを止めない。


K:「ヤッ、ダメ…!おかしいの…!」


逃げようとする私を押さえつけ、
トシが胸の先端を強く吸った瞬間、
再びオーガズムの波に飲み込まれてしまった。



胸へのキスだけで
こんな風になってしまうなんて…。


トシのキスを遮ろうと、
必死に身をよじる。


半身になった私を元に戻そうと、
トシが私の下腹部を押したとき。


あり得ないことに、
再度快感の大波が押し寄せた。



K:「そ、そこも、ダメ…!」


背中を仰け反らせ、必死に抵抗するが
トシの大きな身体に押さえつけられ、
身動きが取れない。


私の自由を奪ったトシは、
胸へのキスと同時に、下腹部を圧迫する。


そこはちょうど、子宮の表側にあたる部分。


さっきもうこれ以上の快感はない、
と思ったばかりなのに。


また異質の大きな波が次々に押し寄せ、
私の身体を翻弄した。



K:「こ、怖い…、怖いよぉ…!」


思ってもみない場所でのオーガズムに、
快感と同時に恐怖を覚え、
遂に泣き出してしまった。


それを見て、ようやくトシが攻撃の手を止め、
私を優しく抱き寄せる。


T:「怖くないよ。オレがいるでしょ?」


さっきまでの激しさが嘘のように、
私の身体をそっと抱きしめてくれた。



T:「ほら、大きく息を吸って…、吐いて。」


震えながらもトシの言葉に従う内、
私の呼吸もようやく整ってくる。


T:「かすみはホントに、
敏感な身体してるね。」


K:「でも、トシと知り合うまでは、
達したことすらなかったのに…。」


T:「オレがかすみを開発したってことかな。」


K:「そうだよ…。」


T:「男冥利に尽きるな。最高だよ。」



外側の感覚器官で得られる快感は、
皮膚の上を一瞬で走り抜ける鋭いもの。


挿入では、トシを迎え入れている胎内が
波打つような快感を覚える。


最奥を刺激されると、
内臓から湧き出るようなオーガズムが得られる。


そしてさらに今回、
胸と下腹部への圧迫で得た絶頂感は
身体だけではなく脳内まで震えるような
不思議な感覚だった。



途切れ目のない快感は、一種の拷問。


でも愛おしいトシが与えてくれるのなら。


その甘い拷問で、もっともっと私を縛って欲しい、
と願ってしまうのだ。