かすみ草の恋

アラフィフの今、出逢ってしまった運命の人。
お互い家庭がありながらも、最後の恋人として大切に愛を育んでいます。

天の邪鬼のクリスマス

今日はクリスマス。


トシも私も、クリスマスに関しては全くと言っていい程
関心もこだわりもない。


正確には、私はクリスマスは家族と過ごすもの、
と言うより子供たちのためのもの、という認識。


トシに至っては、去年も今年も、イブも当日も仕事だ。



独身の頃はもちろん、
クリスマスを当時の彼と過ごしたことはある。


ホテルのフレンチレストランでディナーを食べ、
そのまま部屋へ直行、
というバブル時代のお約束のコース。


普段とそう変わらないメニューなのに
お値段は倍近くするコース料理を
2時間で食べ終える、という慌ただしさ。


レストランもできるだけ回転させたいから
時間制限があったのだと思う。


周りを見回せばカップルばっかりで、
デザートのコーヒーが運ばれてくるなり、
半数近くの男性がゴソゴソと
ティファニーブルーの小箱を取り出す。


これまた半数近くの中身はきっと、
シルバーのオープンハートだったのだろう。



そしてこの中の大半は、
この後同じホテルの部屋に行き、
同じくらいの時刻に…。


などと想像すると、
ロマンティックな気分もどこかへ吹き飛んでしまった。


部屋に引き上げるなり
彼がルームサービスで取ってくれた
シャンパンをがぶ飲み。


泥酔した振りを装って爆睡したのは
さすがに今でも申し訳なかったと思っている。



トシには最初の頃に
「オレ、イベントごとは苦手だし、
意味も感じないから、極力スルーしたい。」
と言われた。


幸い私も全くと言っていいほど
○○記念日にこだわらない。


女性にしては珍しい方だと思うが、
何しろ初めて会った正確な日付でさえ
覚えていないくらいなのだ。



記念日やイベントにこだわってもこだわらなくても
どちらでもいいと思う。


肝心なのは、
お互いのそうした波長や嗜好が合っていることだろう。



と言いつつも、一応昨日の夜のおやすみLINEで


K:「イブの夜もお仕事の私のサンタさん。
私いい子にしてたから、
明日の朝プレゼント届いてるかな?!」


とメッセージを入れてみた。


今朝起きてLINEを見たら、
トシからの手書きの
「Merry Christmas♡」が!


携帯のアプリを使ってわざわざ
点滅するGIFの画像を作ってくれたらしい。


そしてその後に
「かすみ、愛してるよ」
の一言。


嬉しくて嬉しくて、
サンタさんからのプレゼントにはしゃぐ娘の横で
私も小躍りしたい気分だった。



そしてさっきかかってきた電話で。


K:「素敵なプレゼントありがとう♪
朝見たとき、思わずキャーッて言いそうになったくらい
すっごく嬉しかった!」


T:「あんな簡単なのでゴメン。
でも、スタンプとかネットに落ちてるカードとかじゃなくて、
簡単でもオレがかすみだけに作った方がいいかな、と思って」


K:「うん、トシの手書きってところが、すごく嬉しかった!
夜勤明けで疲れてるのに、作ってくれたんでしょ?
本当に嬉しい♪
永久保存版にして、毎年眺めることにする〜」


T:「保存しとかなくていいよ。
そんなに喜んでくれるなら、毎年作るから」



ゴージャスなディナーもブランド物のプレゼントも
なくていい。


私のことを思ってくれる、その気持ちこそが
一番のプレゼントだから。