かすみ草の恋

アラフィフの今、出逢ってしまった運命の人。
お互い家庭がありながらも、最後の恋人として大切に愛を育んでいます。

刺激vs安らぎ

私たちは基本的に、土日は電話をしない。


だが先週の土曜日は、
ちょうど私のお昼休憩に入ったときに
トシがタイミング良くLINEをくれて、
5分ほど電話することができた。



いつもトシが電話をくれるのは
たいてい車で移動中の間。


でもこの時は事務所にいたらしく、
ハンズフリーではなかった。


受話器に近いところで話すトシの声が
直接耳に飛び込んで来て、
一気に鼓動が高まる。



K:「なんだか、ドキドキしちゃう♪」
と私が言うと、


T:「まだそんな初心なこと言ってるの?」
と笑うトシ。


K:「え〜、だって、今でもトシの声聞いたり
会ったりするときは、いつもドキドキするんだもん。
トシは違うの?」


T:「かすみの声が聞けたり会えて嬉しいな
とは思うけど、ドキドキはしないなぁ。


かすみはもう何年も一緒にいる
古女房みたいな感じ。」


なんとも正直な人である(笑)



それにしても、私たちは付き合い始めて
まだ1年と2ヶ月しか経っていない。


なのに、古女房って?!


T:「女性はいつまでもときめいていたいって
思うのかもしれないけど、
オレにしたら、古女房みたいに落ち着ける関係って
最高なんだけどな。」
と。



K:「でもさ、刺激がないとつまらなくなって
飽きちゃわない?」


T:「いや、むしろ、飽きるのは刺激の方だよ。


同じ程度の刺激を受け続けると、
それはもう刺激じゃなくなるだろ?


そうすると、もっと強い刺激を求めるようになる。


例えば喧嘩して別れるの別れないのって大騒ぎして
仲直りして、ってシチュエーションは
確かにその時は燃えるかもしれない。


でも、何度も繰り返す内にどんどんエスカレートして
あるときお互い越えてはいけない線を越えてしまって
結局は破局することになる。」



なるほど、確かにその通りだ。


人間は何事に対しても「慣れる」生き物だから、
最初は刺激的に感じていてもいつか慣れてしまう。


熱いお湯に入るといつかは耐えられなくなって
出てしまうけれど、ぬるま湯にならずっと浸かっていられる。


恋人同士の関係も、同じかもしれない。



T:「男は神経をすり減らして外で働いている分、
安らぎとか癒しを求めるんだよ。


だから、安らぎを与えてくれる存在には
慣れることはあっても飽きることはない。


男が奥さんのことを「ウチの古女房が」と言うときは
一見けなしているようで実は愛が籠ってるんだ。


かすみのことを古女房みたいだ、って言ったのは、
オレにとっては一緒にいて安らげる、
大切な存在、って意味だよ。」



K:「そっか。じゃあ、古女房も悪くないね♪


でもさ、なんで古女房とは言うのに、
古旦那って言わないのかな?」


T:「男は古くなると女性の好きなトキメキがなくなって
捨てられるからじゃない(笑)?」


K:「私はトシが総白髪のよぼよぼのおじいさんになっても
絶対飽きたりしないよ!
むしろ、おむつ姿に萌えるかも?!」


T:「ありがとう、オレの可愛い古女房ちゃん♪」



恋のぬるま湯に永遠に二人で浸かっていられますように…。