バイオリズムがシンクロする幸せ
トシは建設関係の自営業をしており、
社員数十名を抱える社長さん。
T:「社員をこき使って
自分は椅子にふんぞり返っているような
社長にはなりたくないんだ。」
その言葉通り、
トシは社員さんと同じように
現場で力仕事もする。
さらに、
T:「事務員を雇って人件費を払うくらいなら
その分社員たちの給料を1円でも上げてやりたい。」
と、請求書の〆や社員さんの給与計算、
図面の計算などの事務仕事も全部自分でやっている。
その姿勢には本当に頭が下がるし、
トシの元で働く社員さんたちは幸せだと思う。
このように常に多忙なトシだが、
特に月末は、通常の作業に事務仕事の〆が重なるため、
忙しさも倍増するようだ。
そうなると、LINEや電話の回数も当然減る。
私としては、寂しくない訳はない。
自分の中で会いたい気持ちが
高まっていたりすると
挨拶程度の素っ気ないLINEに
ため息が出てしまうこともある。
誰でもそうだと思うが、
恋愛にせよ仕事にせよ、
常に同じテンションを保ち続けることは不可能だ。
振り幅の大きさには個人差があるだろうけれど、
バイオリズムがときに盛り上がり、ときに下降する
波状の形を描くのは同じだと思う。
それで言うと、
トシの恋愛バイオリズムは今、下降気味。
逆に私のバイオリズムがピークだったりすると、
話がややこしくなる。
でもここで、トシを詰ったり責めたりしたところで
何も得る物はないことは明らかだ。
なぜなら、バイオリズムが下がっているときに
強制的に上げろ、と言われても無理だから。
むしろ、強制されることで
逆にさらに下がってしまう危険性すらある。
こんなときは、私の方のバイオリズムを
トシに合わせるしかない。
トシに集中しがちな気持ちを
なるべく他に向けるよう心がける。
友達と出かける予定を立てる、
前倒しで年末の大掃除を始める、
仕事で使う資料作りをする、など。
半ば強制的にでも
自分の意識を他に集中させることにより、
ピークに達していたバイオリズムの波が
少しずつ穏やかに落ち着いていくのがわかる。
もし、何が何でも自分のペースに
相手を合わせさせようとすると、
いつまで経っても二人のバイオリズムの波はズレたまま。
だが、自分のバイオリズムを相手に合わせると、
当然だが次のピークが同じ時期にやって来るようになる。
そして不思議なことに、
一方のピークに他方が無理矢理巻き込まれているよりも、
二人揃って波が高まったときの方が
ずっとずっと気持ちが盛り上がるのだ。
さらには、お互いへの気持ちのベースが高まり、
波が下降したときの下がり幅も小さくなる気がする。
私はベッドでトシと並んで横たわっているとき、
ウトウトと微睡むトシの胸に耳を付けて
心臓の音を聞くのが大好き。
トシの寝息に呼吸を合わせると、
自分の鼓動も合ってくるのがわかる。
愛する人と身体が刻むリズムがシンクロするのは、
この上ない安心感と幸福感をもたらしてくれる。
身体と同じように心のリズムもシンクロできたら、
こんな幸せなことはないと思う。
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