ルールvsルーティン
先日、トシが携帯の機種を変えた。
携帯に限らず、
電化製品全般をいじるのが大好きなトシ。
T:「全ての機能を一通り試してみないと
気が済まないんだ。」
新しい携帯もいち早く取説を
ウェブサイトからダウンロードし、
既に熟読している、と話していた。
そして新しい携帯が届く日の朝、電話で
T:「新しい携帯の設定終わるまで、
ちょっと連絡取れなくなるけど、
心配しないで。」
と。
その言葉通り、その日はトシからの連絡はなく、
夜私から入れたおやすみのLINEも未読のまま。
きっと今頃、夢中で携帯いじってるんだろうな、
と想像しながら眠りについた。
結局トシから連絡が来たのは、
次の日の夕方近く。
T:「基本設定は終わったよ。
LINEに返事しなくて、ごめんね。」
K:「全然、いいよ〜。
楽しみながら色々設定してるんだろうな、
って想像してた。」
T:「オレ、かすみのそういうところ、
本当に好きだな。」
トシはよくこんな風に
「かすみのこういうところが好きだ。」
と言葉にしてくれる。
だが、当の本人にとっては
褒められポイントの理由がわからず
「なんで?」と思うことがしばしば。
このときもそんなに特別なことを
言ったつもりはないので、
理由を聞いてみると。
T:「今まで付き合った女の多くは、
毎日連絡するって決めてたのが
たった1日でも途切れると、
「もう私に連絡したくないんでしょ!」
と怒ったり、
「毎日連絡する約束も守れないなんて、
もう私のこと好きじゃないの?」
とべそべそしたり。
かすみはそうやってオレのこと、
ヘンに疑ったりしないでしょ?
それがすごく嬉しいんだ。」
K:「何もわからず数日連絡途絶えたら
私だってオロオロするだろうけど、
理由がわかってるんだから
怒る必要も悲しむ必要もないじゃない?」
T:「それができない女が、多いんだよ。
こちらに事情があろうとなかろうと、
毎日連絡する、ってルールを破った、
というだけで
オレの気持ちまで疑ってかかる。
身に覚えのないことで
理不尽に疑われるオレの立場はどうなるんだ?
といつも思ってた。」
もちろん私だって、
毎日のLINEはある方が嬉しい。
だが、それを何があっても破るべきではない、
というほど厳格なルールにしてしまうことは
百害あって一利なしだと思っている。
毎日の挨拶も、仕事の合間の電話も、デートの頻度も、
こうでなくちゃ!と決めた途端、
お互いに苦しくなるだけだから。
そして、義務化されるほど
人の気持ちを削ぐものはない。
朝起きて相手のことを思い浮かべ、
自発的に「おはよう」とLINEするのは
純粋な気持ちの表れ。
だが、しないと相手が怒るから、
と思ってする「おはよう」には
義務感以外の何ものでもないだろう。
また、何かをルールにした途端、
それを破った相手を責めたくなってしまう。
「なんで約束を破るの?」
「こんな簡単な約束も守れないなんて、
信じられない!」
などと責めるだけならまだしも、
トシの過去の女性たちのように
「約束を破った」=「私に対する愛情がない」
と、根拠のない被害妄想に
陥ってしまう危険性すらある。
逆に
相手のことを思い浮かべて挨拶のLINEを送る、
声が聞きたいから電話する、
会いたいからデートの約束をする、
これらはルールではなくルーティン。
ルーティンは自発的な行動が
習慣付けられた結果なので、
守っても守らなくても自由だ。
だが、ルーティンは
「そうすることで自分が気持ちいい」
あるいは
「そうしないと自分が落ち着かない」
ため、強制されなくても
自然に自から行動するようになる。
例えばトシが仕事の合間に電話をかけてくれるのは、
ルールではない。
T:「もうオレの中で、隙間時間ができたらかすみに電話する、
っていうのが決まりになってるんだ。」
私に電話をするのが
トシの中でルーティン化されていることがわかり、
とても嬉しかった。
もちろん、仕事が詰まっていたりして
電話がない日もある。
もしそこで私が
「なんで今日は電話してきてくれなかったの?
もう私のこと、嫌いなの?!」
とでも責めようものなら、
トシの中でそれはネガティブなルール
つまり、束縛となってしまい、
二度と自発的な意志で電話をすることは
なくなるだろう。
電話やLINEがないのはそういう日、
というだけのこと。
隙間時間ができたら、またかかってくるでしょう、
とのんびり構えていると、
翌日には3回も電話があったりするのは、
ルーティンの魔法だろうか(笑)
T:「かすみほど真っすぐにそしておおらかに、
オレのことを好きでいてくれた人はいない。
だからかすみといると、
心が伸び伸びするよ。」
これからもトシとはルールに縛られず
お互いが自分がしたいと思うルーティンを大切にした
風通しのいい関係でいたいと思う。
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