かすみ草の恋

アラフィフの今、出逢ってしまった運命の人。
お互い家庭がありながらも、最後の恋人として大切に愛を育んでいます。

12時間の温もり

一昨日の夕方、トシからLINEが届いた。


T:「明日、かすみはどんな予定?」


これは、トシからのデートのお誘いの定番フレーズ。


ストレートに「会える?」ではなく
まずは私のその日の予定を確認してくれるのだ。



K:「特に何も予定はないよ。」


T:「すごく急だけど、明日空けられそうだから
かすみが良ければ、会おう。」


K:「もちろん!嬉しい〜♪」


T:「何時から何時まで大丈夫?」


K:「朝10時以降、エンドレスで大丈夫(笑)」


T:「よし、じゃあ朝10時に会って、
できるだけずっと一緒にいよう。」



トシに会うのは、約2ヶ月ぶり。


もうすぐ会えるとわかっていたけれど、
来週くらいかな、と思っていた。


降って湧いたようなデートのお誘いに
嬉しくて嬉しくて、踊り出したいくらいの気分だ。


夜留守にするための夕食の段取りと
デートに持って行くお昼のメニューを考えつつ、
着て行くものや身だしなみのチェックも同時に行う。


この恋愛中の女性が持つマルチタスク能力、
上手く他で生かせたら世の中ずいぶん効率的になるのにな、
といつも思う(笑)



そして迎えた昨日の朝。


いつもの待ち合わせの駐車場に停まっている
トシの車を見ただけで、
心臓の鼓動が倍くらいになる。


私が車を停めようとしているすぐ近くまで
車を動かして、
私がドアを開けるやいなや、
傘をさしかけてくれるトシ。



思わずそのまま、
トシの身体にギュッとしがみつく。


K:「会いたかった…。」


T:「オレも。長く待たせてごめんね。」


強い力で私を抱きしめた後、
頭を優しくポンポンと撫でてくれる。


その手の温もりを感じただけで、
2ヶ月会えなかった寂しさもどこかへ吹っ飛んでしまった。



途中のコンビニでビールやお茶などを買うのが
いつものパターン。


でも今回は、それに加えて
トシがちょっと摘めるお菓子などもカゴに入れていく。


それもかなりの量だ。


T:「かすみも、何か欲しいものあったら入れて。」


K:「うん、でも、そんなに食べられないよ。」


T:「今日はエンドレスで一緒にいるんだろ?


お昼はかすみが用意してくれてるけど、
途中でお腹空くかもしれないじゃん。」


一体何時間一緒にいてくれるつもりなんだろう?
と嬉しくてたまらない。



結局一緒にいたのは、朝10時から夜10時まで。


しかも、二人きりで籠りっぱなし(笑)


今までどこかに出かけて一日一緒にいたことはあるが、
お部屋デートで12時間は最長記録だ。



トシと私は一緒にいる間、テレビを見ることもなく、
ましてカラオケやゲームをすることもしない。


ひたすら抱きしめ合って、キスをして、顔を見て微笑んで。


とりとめもなくおしゃべりをして、
お互いの温もりを感じながら微睡んで。


12時間中最低でも10時間は、
どこかしらお互いに触れていたと思う。



T:「かすみにこうして触れているときが、
一番癒されるし幸せだよ。」


それは私も全く同じ。


愛する人の肌に触れ、温もりを感じる。


これ以上の幸せは、この世に存在しない。


それを再確認できた2ヶ月ぶりの逢瀬だった。