かすみ草の恋

アラフィフの今、出逢ってしまった運命の人。
お互い家庭がありながらも、最後の恋人として大切に愛を育んでいます。

男性には帰納法を駆使せよ!

ここ何年か話題のロジカルシンキングにおいては、
演繹法と帰納法で物事を考え、
説明することが推奨されている。


正確に演繹法と帰納法を理解しようと思うと
頭がバクハツしそうになるので、ここは端的に


演繹法:事例から結論を導き出す
帰納法:結論を提示して事例を挙げる


と定義することにしよう。



私たち女性は、どちらかというと演繹法で話をしがちだ。


恋バナにせよ配偶者や子供のグチにせよ、
まず背景、そしてそこに至る経緯など
全て説明しなければ気がすまない。



<A子さんの事例>
「ウチのダンナって、元々モノを作るのが好きなのよ。


で、前の会社は割と大手だったのに、
仕事内容が気に入らない、って転職しちゃったの。


あ、でもお給料は前より上がったんだけどね。


そしたら前働いていた会社は土日休みだったのに、
今度の会社は不定休なの。


私はダンナが土日休みだから
その日にパート入れるようにしてたじゃない?


ダンナの休みが不定期になっちゃったら、
誰が土日子供の面倒見るの?って話よね。」



A子さんが相手に伝えたいのは、
「土日に子供の世話をしてくれる人がいなくて困っている」
という事実。


聞き手が女性なら、途中途中に挿入された


「ダンナが大手企業に勤めていたことをアピール」
「ダンナのお給料が良いことの自慢」


あたりのトラップにも的確に反応し、


「そうなんだ〜、それは大変だね。
A子ばかり子供の心配しなくちゃいけないのは、不公平よね。」
とA子の不満もなだめつつ、


最終的に
「じゃあさ、A子がパートの日程を変えるのは難しいの?」
と結論を導く、という芸当をやってのけられる。



しかし大方の男性は、A子の長々続く経緯の説明にうんざりし、


結局何が言いたいのかサッパリ内容が掴めず、
トンチンカンな答えをしてA子を怒らせるか、


「結局結論はなんなんだ?!」と逆ギレするか、
のどちらかだろう。



これは、男性は帰納法で物事を考えることが多いから。


先のA子の事例で言えば、


「ダンナが転職してから、
子供を土日面倒みる人がいなくて困ってるんだよね。」


という悩みのポイントをまず明確にし、
それから枝葉末節を説明すれば、
相手の男性も理解しやすいだろう。


(話の内容がくだらなさ過ぎる!
と呆れられる可能性はあるけれど(笑))



交際中の彼に対しても、女性は演繹法で自分の願いを伝えがちだ。


<B子さんの事例>
「来月ね、C子が久しぶりに帰省するって連絡くれたんだ。


ずっと独身だった弟さんが、40歳にしてようやく結婚するんだって。


で、一週間くらい実家にいるから、
せっかくならその間に会えない?って聞かれたの。


でも、もしその間にアナタとのデートが入ったら困るな、
と思ってまだ返事は保留中なんだけど。」



これはさらに質の悪い、
「演繹法」+「察して論法」のハイブリッド型。


B子の言いたいことは、

「だから来月、会える日があるならサッサと教えて」


なのだが、そこまで読み取れる男性は限りなくゼロに近いだろう。



このようなB子の話に対し、予想される男性の反応は、


A:「へぇ、C子ちゃんって学生時代の友達だっけ?」


B:「40歳で初婚か〜。やるな〜!」


C:「楽しんできてね!」


あたりが妥当な線と思われる。


つまり、男性は話の最初、あるいは自分に関連のある事柄が
脳内に強くインプットされ、そこに反応を示すか(AとB)、


全体のボンヤリした印象から
「あ、つまりC子に会うって話?」
とアタリをつけて適当に返事をするか(C)、
のどれかなのである。



当然、こんな的外れな答えをされた女性はイラッとするし、
何で私がアナタと会いたいって思ってること、
わかってくれないの?!
と悲しくもなるだろう。


しかし、男性に的を得た答えを返してもらうためには、
私たち女性も男性に伝わりやすく
論法を変える必要があるのではないだろうか。



先のB子の事例でいけば、


「あのね、来月ってデートできる日、ありそう?


実はC子が来月久しぶりに帰省するみたいで、
会えたら会おうと思ってるの。


先にアナタと会える日がわかってたら、
その日は避けて約束しようと思って。」


と説明すれば、男性にも何を言わんとしているかがわかりやすい。



女性はお願い事をするとき、
イロイロな事情があって、だからお願いしたいんです、
と理由を先に述べる方が
相手に納得してもらいやすいし、気持ちを汲み取ってもらえる、
と考える。


実際、女性対女性ならその論法で上手くいく。


しかし、男性は結論ありきの生き物なので、
女性の言う「イロイロな事情」を並べ立てられると
何が言いたいのか論点が見えず、
誤解したり勝手に結論を推測したりするのだ。



トシは男性にしては珍しく、
こちらの発言の裏まで考える人なので、
ある程度持って回った言い方をしても通じることが多い。


それでも、たまに「え?そこに反応する?」
というような返しをされることがある。


その時の会話を後から思い返してみると、
私の言い方が回りくどいケースが殆ど。



伝えたいことは文頭に、わかりやすく、ハッキリと。


これを心がけるだけで、
コミュニケーションの風通しがグンとよくなり、
お互い余分なストレスを溜め込まずに済むようになった。



そういえば、「愛してる」だけは、
最初から前後に余計な言葉はつけず、
ストレートに伝え合っていた。


どんな言葉も「愛してる」のように
直球勝負で伝えることが肝心なのかもしれない。