かすみ草の恋

アラフィフの今、出逢ってしまった運命の人。
お互い家庭がありながらも、最後の恋人として大切に愛を育んでいます。

言葉にしてもしなくても

なぜか私はデートの直後に一層恋しさが募り、
一番構ってちゃんになる。


逆にトシは、これで当分満足!とばかりに
連絡の頻度が減りがち。


このギャップは以前から感じていたが、
感覚の違いだからどうしようもない。



が、今回はデートの翌日から3日程、
朝私がいれた「おはよう」の挨拶にさえ
返事が来ない日が続いた。


さらに極めつけは、
二晩続けて「おやすみ」の後に私がつけた
「愛してる」に返事がなかったこと。


ここに至って、
私のネガティブ妄想に火が点いた。



もしかして、この間のデートで私、
何かやらかした…?


夜勤明けだったのに、私が纏わりつて
余計疲れさせちゃったから…?


そういえば、帰りの車の中も
トシはいつもより無口だった...。


もう愛してない、ってこと…?



こうやって書いていても、
被害妄想丸出しの単なるいじけだ
ということがよくわかる。


でも、一旦しなくてもいいような心配をし出すと
自分で自分を追い込んでしまうのだ。


日頃、何でもポジティブに捉えよう!
などとエラそうなことを言っているのが嘘のよう。


恐らくこういうときの私は、
女性脳が前面に押し出されているのだと思う。



そして月曜日の夜。


ついに妄想水位(?)が危険水準を超え、
堤防が決壊。


真夜中に


「愛してる、に返事がないのは、
もう私に対してそういう気持ちが
なくなってしまったからなのかな…。」


「どうやったらまたトシに
愛してるって言ってもらえるのか、教えて」


などとウザいLINEを連発してしまった。



送ってしばらくしたら少し気持ちが落ち着いて
やっぱりあんなLINEするんじゃなかった、と後悔。


見てみたらまだ既読になっていなかったので、
慌ててメッセージを削除した。


が、削除したらしたで、
「○○がメッセージを削除しました」
などと余計な表示が。


これ、余計ウザいパターンじゃ…?!


と思ったもののどうしようもなく、
その日は悶々としながら眠りについた。



翌朝、トシから電話。


T:「昨日の削除、何だったの?」


K:「私が勝手にウジウジしてただけだから、
忘れて…。」


T:「いいから、言ってみな。
ちょっとでも引っかかってることがあるなら
ちゃんと話さなきゃダメだよ。」


そこで、恐る恐るトシに話してみた。



T:「な〜んだ、そんなことか!」


ウザい!と怒られるかな、
と思ったので、そのトシの第一声にホッとする。


T:「今、オレ夜勤してるでしょ。


かすみがおやすみのメッセージを送ってくれるときは
完全仕事モードなんだよ。


従業員が寒い中必死に作業してくれてるときに、
コッソリ女に「愛してる」なんて返事してる社長、
ダメじゃん。」


K:「確かに…。」


T:「それに、多少連絡が滞ったとしても、
それは単に仕事で頭がいっぱいってだけだから。


よく女性は、
「LINEや電話する、1、2分の時間もないわけ?!」
って怒るよね。


そりゃ、時間はあるよ。


でも、男は不器用だから、何かに集中してると
頭がそういうモードにならないんだ。


そんなときに、寂しいだの、
もっと連絡くれだの言われても、
そうか、申し訳ないな、とは思わない。


もしろ、こっちが必死に仕事してるときに
何を下らないこと言ってんだ!と思う。」


K:「女性はどうしても、
好きな人のこと四六時中考えちゃうから…。」


T:「それが女性ってものだから、
仕方ないんだろうな。


でも男にも同じように思え、
と求められても困る。


だったら逆に女性にも男のように
頭を切り替えられるようになれよ、
と言いたい。」


K:「そっか。そうだよね。」


T:「オレは、一度好きになった相手のことは
そんな簡単に心変わりしないよ。


例えば最初の好きな気持ちが10だったとして、
段々落ち着いて2とか3とかになっても、
好きは好きだから、
付き合っていたいと思う。


それに、10の気持ちが
ずーっと10ってことないでしょ。


時に2や3まで落ちたり、
また8や9まで上がったり。


極端な話、ゼロかマイナスにならなきゃ
いいんだ。」


K:「私の気持ちは10から一向に
下がりそうにないんだけどなぁ。」


T:「それはそれで光栄だけど(笑)


あと、もしかすみに対して
ここはイヤだなとか直してほしい、
と思うことがあったら、ちゃんと言うよ。


黙って急に離れたりすることは
絶対にない。


何度も同じことを言っても直らなかったら、
あ、こいつはダメだ、
と諦めるかもしれないけど。


それでも、他にプラスの面が1つでもあれば、
離れたりしない。


突然放り出すなんてこと、絶対しないから。」


そのトシの言葉が、ストンと心に落ちた。


そっか。


何も心配しなくていいんだ。


トシはそういうなら、それは絶対だから。



K:「ありがと…。安心したよ。
ごめんね、ウジウジ言って。」


T:「ま、かすみに説教するのも
オレの楽しみのひとつだからいいんだけどね(笑)


だいたい、もう1年以上も付き合ってるんだから、
今さら愛してるなんて言わなくても、
わかるでしょ?」


K:「もちろん、トシが私のこと愛してくれてて
大切にしてくれてるのはわかってる。


でも、たまには言われてみたいんだもん!」


T:「乙女みたいなこと言っちゃって(笑)」


最後はお互い笑って電話を切った。



そして昨日の夜。


私が寝る前に
「今日も寒い中、お仕事お疲れさま。
おやすみなさい」
とLINEを入れると、
間髪おかずトシから返信が。


「ありがとう。おやすみ。」


そして


「あ い し て る よ」


嬉しくて嬉しくて、涙が出そうになった。


K:「きゃ〜♪嬉しい!
ありがとう〜!!」


T:「大サービス。
しょっちゅうは甘やかさないからね(笑)」



そんなことを言ってても、
トシはやっぱり優しい。


そして、私はこんなにも愛されている。


迷うことなく、
トシとの愛を穏やかに大切に育んでいこう、
と改めて決心した。