当たり前の幸せ
前回の記事で、金曜日にトシと会う、
と書いたが、水曜日の夕方に、
T:「もしできたら、明日に変更してもいい?」
とトシから連絡が。
今までも日程変更をお願いされたことは
数回あったが、
私は理由を尋ねないことにしている。
ほぼ間違いなく仕事の都合だろうし、
時間に余裕のある方が相手に合わせるのは
当然、と思っているから。
それにむしろ、
一日早くトシに会えることは
私にとっても喜ばしいことだ。
いつもの場所で9時半に待ち合わせ、
トシの車に乗り込んで二人だけになれる場所へ。
トシは年が明けてからも
ずっと夜勤が続いている。
この日も7時過ぎに自宅に戻って来て
そのまま寝ずに会いに来てくれた。
寝不足のトシに
少しでもゆっくりしてもらいたいから、
夜勤のときはお部屋デートと決めている。
お部屋に入ってコートをかけたり
荷物を置いたりして落ち着くと、
ソファに座ったトシが両手を広げて
「かすみ、おいで」
その腕の中に飛び込んで、
ギュッとしがみつく。
この瞬間が、本当に幸せ。
トシの首筋に鼻を擦り付けたり
耳たぶを唇でついばんだり。
T:「昔飼ってた
手乗り文鳥の次郎そっくりだ(笑)」
笑いながらトシが私の顔を両手で包み込み、
ゆっくりと優しいキス。
キスが段々激しくなるにつれて、
私の身体も火が点いたように熱くなる。
その先はもう、
トシの与えてくれる快感に翻弄されるしかない。
気が付いたらベッドの上で、放心状態。
瞼を開くことすら億劫なくらい、
全身が快感の名残で気怠い。
そんな私を優しく見つめるトシ。
T:「今日も激しく感じてたね(笑)」
K:「…だって、トシのせいだもん。」
T:「オレがかすみを開発したんだね。」
K:「そうだよ〜。
こんな風になっちゃって、
どう責任とってくれる…?!」
T:「これで別れるなんていうことになったら
『どう責任とってくれるの』
と言われても仕方ないけど、
オレはかすみとずっと一緒にいるんだから、
問題ないでしょ?」
ずっと一緒にいる。
それを当然のことのように口にしてくれるトシに
胸がキュンとなった。
そっか。
もう、二人が一緒にいることは当たり前なんだ。
トシの腕に包まれて微睡みながら、
この上ない安心感と幸福感に満たされた。
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