かすみ草の恋

アラフィフの今、出逢ってしまった運命の人。
お互い家庭がありながらも、最後の恋人として大切に愛を育んでいます。

思えば遠くへ来たものだ

この年末年始、
懐かしい友人と会う機会が多くあった。


まずは大学時代からの親友。


彼女は卒業後、
総合職として大手保険会社に就職。


以来、男性顔負けにバリバリと働いて
キャリアを積んできた彼女は、
来年度、同期の中で一番先に部長になる予定だ。


10年前に東京に転勤になり、
5年前には都内にマンションも購入。


優雅な独身キャリアウーマン生活を満喫している。



彼女と私は、
独身と既婚、キャリアウーマンとパート勤務と、
境遇は全く違う。


それでも会うと話は尽きないし、
心から信頼し合っている。


私が唯一、トシのことを打ち明けたのも彼女。


万が一私に何かあったら、
トシに連絡をしてくれるようお願いもしている。


「私はかすみのご主人もお子さんたちも知ってるから、
トシさんとのこと、手放しに応援はできない。


でも、話はいつでも聞くし、
かすみが幸せなら良かったなと思うよ。」


そう言ってくれた彼女の気持ちが、
痛いほど胸に沁みた。



そして大晦日、
息子の幼稚園時代のママ友家族2組を招待し、
年越しホームパーティーをした。


子供とママ同士だけでなく、
他の兄弟やパパたちも仲良くなり、
今や家族ぐるみで親戚のようなお付き合いだ。


久しぶりに会っても幼稚園の頃と変わらず
コロコロと遊んでいる子供たち。


その姿を眺めつつ、パパ&ママはワインで乾杯。


「ほんっとあの子たち、変わらないね〜。
嬉しいような、不安なような(笑)」


と笑いながらも、
こんな風に親子揃って仲良くできる
友人がいることの幸せを
しみじみと噛み締めた大晦日だった。



お正月明けの3日には、
恒例の中学高校時代のクラス会。


実はこの会は理系クラスの集まりなのだが、
バリバリ文系の私にもなぜかお声がかかり、
毎年楽しみに参加させてもらっている。


今年集まったのは、10人。


その内、女医が6人、社長が1人、
大学教授が1人、という錚々たる顔ぶれだ。


それでも話し始めればすぐ、
中学高校時代のノリに逆戻り。


笑い過ぎて、
せっかくのコース料理の味も
わからないほどだった(苦笑)。



クラス会の帰り道、
家の方向が同じRちゃんと途中まで一緒だった。


地下鉄に揺られながら、
とりとめもなく続いていた会話がふと途切れたとき。


R:「かすみと知り合って、35年か〜。」


Rちゃんがポツリとつぶやいた。


K:「中学入って同じクラスになったとき、
まだ12歳、だったもんね。」


R:「ホント、思えば遠くに来たもんだね〜。」


しみじみと言ったRちゃんのセリフが
強く心に残った。



中学高校時代の友達と知り合ってから、35年。


大学時代の友達と知り合ってから、30年。


息子のママ友ですら、知り合ってから
もう10年以上が経つ。


その頃の自分を振り返ると、
Rちゃんではないが
思えば遠くに来たものだ、と感じる。



でも、どれだけ年月が流れても
変わらない友情が存在するのも、また事実。


もし彼女たちの誰かが助けを必要としていたら、
私は何をさておいても力になる。


そして同じように、もし私に何かあったら、
彼女たちは全力でサポートしてくれるに違いない。


しょっちゅう会っていなくても、
心から信頼し合える友人がいるということは
なんて幸せなことなんだろう。