かすみ草の恋

アラフィフの今、出逢ってしまった運命の人。
お互い家庭がありながらも、最後の恋人として大切に愛を育んでいます。

彼マニア

トシは移動中の車の中から
電話をかけてきてくれることが多い。


だが昨日は日中事務仕事をしていたようで、
珍しく自宅からの電話だった。


2、3分話したとき、
「ピンポーン」とチャイムの音。



T:「ごめん、誰か来たみたい。
またかけるよ。」


K:「うん、わかった。」



ほんの数分で会話が途切れたのだから
寂しくなっても不思議ではないのに、
なぜかウキウキとした気分が続く。


その理由は、トシの家の
ドアチャイムの音が聞けたから。


私の家のそれとは違うトーン。


トシの自宅は見たことはないけれど、
ドアチャイムが鳴るところを想像してみる。



インターフォンを取って
あの低くて渋い声で
「はい」って答えるのかな。


それからきっと私のように小走りではなく、
悠々と玄関に向かうんだろう。


もし宅急便だったとしたら、
印鑑を押す仕草でさえ、カッコよさそう…。


などと、妄想は留まるところがない。


もしトシの自宅を知っていたら、
インターフォン越しの「はい」を聞きたいがために
ピンポンダッシュしてしまうところだ(笑)



そして寝る前のLINEで。


K:「今日はトシの家のピンポンを聞いて、
トシはこの音を毎日のように聞いてるんだな、
って、ときめいちゃった♪」


T:「かすみは、ヘンな子だなぁ(笑)」


K:「だって私、トシマニアでトシフェチだもん♪」



そう、私はれっきとした彼マニアで彼フェチ。


ついでに言うなら、一番のファンでもある。


彼マニアたるもの、
彼に関することならどんな些細な情報でも
見落としてはならない。


たとえそれがドアチャイムの音だったとしても、
トシが日常的に耳にする音色を聞いた、
というたけで、立派に(?)萌え対象なのだ。


そうして得た情報を時折思い出すだけで
ハッピーになれるのだから
自分でもつくづくお手軽な性格だと思う。



私は今まで、
アイドルや俳優のファンになったことは一度もない。


ジャニーズ系だろうが二枚目俳優だろうが、
カッコいいな、とは思っても
トキメキは全く感じなかった。


そんな私が人生で初めてハマったのが、トシ。


だから一生分のエネルギーを注いで、
トシのマニアでフェチでファンでいよう♪